「昔より集中が続かなくなった・・・」
「新しいことが中々覚えられない・・・」
皆さんはそんな経験ありませんか?
この記事では、加齢やブランクによる知能の衰えを感じる方へ、集中力や記憶力を高める方法について解説します。
知能は加齢によって衰えるのか
結論から言うと、そもそも知能は加齢によって衰えるものではありません。
知らなかった人も多いのではないでしょうか。ではなぜ、衰えたと感じてしまうのでしょうか。
それは日々の生活の中で、必要とされたり、追い込まれることが無い環境となってしまっているため、脳がその機能や能力を十分に発揮できていないからです。
思い出してください。あなたが中学校や高校の時には、定期的に学力テストや、毎日のように何かしらの小テストがあったと思います。
集中力や記憶力を日常的に使い、試される環境に置かれていました。
社会人になると仕事を始めることで付き合う人が増え、名前を覚えなければならない機会が増えると思います。
30代になると部下を持つようになり、人間関係を丸く穏便に収める必要や人を上手く使ってタスクをこなす必要性から、人の表情を読むことや、コミュニケーション能力高まります。
脳の発達は11歳ごろまでにほぼ完成すると言われていますが、このように『必要になれば』その後も緩やかに進化し続けます。
年齢を重ねるごとに、その知識や経験は蓄積されていくので、決して若い人に負い目を感じることはないでしょう。
ただ40歳近くに差し掛かると、(人によっては30歳くらい)仕事や家庭も落ち着くことで、『初めて』の体験がほぼなくなってしまいます。
それと同時に脳も落ち着いてしまいます。
「物覚えが悪い」「集中が続かない」と感じるようになるのはこのように進化する必要がなくなり、脳に刺激がなくなることで安定した状態になってしまっているためであると言えます。
よって、例えば刺激のなくなった毎日を送っている平和な40代から何かを始めようと思った場合、まず始めることは眠っている脳をたたき起こす事です。
もちろん40代でなくても、刺激がなくなっている20代、30代の方も例外ではありません。
まずは脳を平和ボケから救出しましょう。そうすることで、若いころに負けないくらいによく働く脳を取り戻す事ができます。
そのためには何をしたらいいのか・・・
それは、『時間や作業量を圧縮して自分の限界に挑む』ことです。
これから詳しく解説していくと共に、効率よく勉強や作業を行う為に、人間の集中量を高める最適な時間配分を提供してくれる時間管理術である『ポモドーロ・テクニック』もご紹介します。
平和ボケした脳を叩き起こそう
若いころは活発に動いていた脳が、年齢を重ねるとともに衰えてしまう。その原因を考えてみましょう。
若いころ、特に幼少期は行動すること、知ること全てが初めてのことで、出来る出来ないを考える前にまずは挑戦していたと思います。
反対に年齢を重ねることで、行動する前から経験則により「どうせ失敗するだろう」とある程度先の予想をするようになります。
しかしそれは経験則による『予測』にしか過ぎません。自身の想像の範疇を出ません。
経験したことが無いことは、実際にやってみないと分からないのです。
さてここでの『予測』とは、失敗を恐れた無意識下での『やらない理由』がほとんどではないでしょうか。
失敗したらどうしようとか、成功する保証がないからなどネガティブな心理です。
今の安定した生活を失うかもしれない、というリスクから挑戦することを無意識で避けてしまっていることでしょう。
しかしその『リスク回避』こそが、成長に必要な「新しい経験」や「適度な刺激」を脳に栄養として送れなくなっている原因となっています。
挑戦がなく刺激がなくなると、脳も平和ボケしてしまうのです。
平和ボケした脳を救出するには、以下2つを意識しましょう。
好きなものにとことんハマる
皆さんは「これをやっている時は無心になれる」「人よりも得意!」みたいなものはありますでしょうか?
既に出会えていたら、とても幸せなことです。
その理由は、『ドーパミン』の力を借りて、どんどんその能力を伸ばす事ができるからです。
神経伝達物質の一つであるドーパミンは、達成感とともに分泌され、やる気や幸福感を得られるいわば『脳のご褒美』です。
ドーパミンを上手く利用するテクニックを身に着ける事ができれば、物事にどんどんのめり込み、全てを忘れて集中することができます。
もちろん分かっていると思いますが、ギャンブルなどは論外です。ハマる仕組みは同じですが、人生を狂わせる方へ作用が働いてしまいます。
感情が沸き上がり、面白くてハマるものを探すのは中々難しいことです。そういったものはある種、運命的な出会いも必要になってくるかもしれません。
常にアンテナを張り、それこそやる前から否定せず、まずはやってみることから始めてみましょう。
このサイトでもおすすめの『趣味』や『学習』に関する記事を投稿しているので、参考にしてみてください。
必要に迫られる
身近なところで言うと、仕事でしょうか。
この仕事が好きで、一生この仕事で食っていきたい!という仕事に就いている人はほんの一握りだと思います。
100%の情熱はなくとも、一生懸命あるいはまあまあ楽しく仕事をしている人もいるでしょう。
・給料や条件が良いから始めたけど、やっているうちに楽しくなりのめり込んでいった。
・成り行きで就職したけど、意外と面白くて「自分はこの仕事に向いているかも」と感じる。
などなど
好きではなくても、目の前のことをなんとか上手くやろうと、頑張ってやり遂げることで攻略していく楽しさを知ります。
「乗り越えるべき壁」「やらなきゃいけないタスク」
これらをクリアした時は、日常では得られない達成感を得ることができます。
そう、『ドーパミン』が分泌されるのですね。
攻略が楽しくなってくれば夢中になってのめり込むことができ、脳が活性化し記憶力や集中力も上がってきます。みなさんも一度はそんな経験があるのではないでしょうか?
便利な脳の仕組みです。
記憶力を高めよう
前項では脳が活性化し、記憶力や集中力を高める仕組みを解説しました。
ドーパミンは達成感を得られた時に分泌されます。
達成感というのは当然、当たり前にできることを当たり前にやっても得ることはできません。
達成感が得られるのは、「できないかも」をやり遂げた時です。
ということは、勉強したいことや頑張りたいことを始める際、『できないかもしれない』と思う程度に難易度を上げることが必要です。
難易度を上げるには
・時間を制限する
・量を増やす
自明のことではありますが、作業時間と作業量はある程度比例します。
時間をかければ相応の作業ができるということです。
そして時間当たりの作業量というのは、個人の能力によります。
それを自身の能力の限界まで増やしていけば、難易度が上がります。
もしくは同じ作業量で時間を短縮することを意識することで同等の効力を得ることができます。
量を減らすか時間を減らすかの2択。まずは自分の「能力=時間当たりの作業量」を理解する必要があります。
例えば読書なら、30分で何ページ読めるか。執筆なら2時間で何文字くらいかけるか。ランニングなら2kmを何分で走れるか。などなど
もちろん、逆に作業量を基準にしてもOKです。
本を一冊読むのにどれくらいの時間がかかるか。ブログ1記事に何時間かかるか。2km走るのに何分かかるか、ですね。
まずは自分の現時点での能力を把握したら、そこから自分ができるギリギリのラインを目標に設定しましょう。
最初はできなかったり、簡単すぎる目標を設定してしまったりとあると思いますが、調整しながら徐々に最適なボーダーを設定できれば問題ありません。
一番大事なことは、自分の限界値を発見し、とにかくそこに挑戦することです。
「よし、できた!」という感動や達成感を味わうために、自分で自分を追い込めましょう。
自分を追い込めるのは自分だけです。
ポモドーロ・テクニックの活用
長時間集中した状態でいると、徐々にそのパフォーマンスは落ちていきます。
学校の授業もそうですが、危険な工事現場での作業など集中力を必要とする場面では、1時間連続で作業を行う事はありません。必ず休憩を入れ、リセットします。
人間が本当に継続して集中できる時間は30~90分と言われています。(そのため大学の講義はたいてい90分ほど)
休憩を入れてリフレッシュすることで、脳はまた集中力を取り戻すことができます。
その性質に目を付けて考案されたのが、『ポモドーロ・テクニック』と呼ばれる学習方法です。
ポモドーロ・テクニックは、イタリアのコンサルタントである【フランチェスコ・シリロ氏】によって1987年に考案されました。
シリロ氏が大学生だった頃、自身の集中力が中々持続しなかったことに対してその時間の使い方を見直そうと試みた時に使用した『トマト型のキッチンタイマー(「ポモドーロ」はイタリア語でトマトを意味する)』からこの名称の由来がきているそうです。
『ポモドーロ・テクニック』の詳しいやり方を説明していきます。
『ポモドーロ・テクニック』のやり方
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1タスクを選択する
まずはこなすタスクを選択しましょう。前述したように、読書でもブログ記事の作成でもなんでも構いません。
一番重要なのは、そのタスクを集中して終わらせるというマインドです。
このポモドーロ・テクニックは、「決められた時間内でそのタスクに全神経を集中させる必要がある」という点は最重要視する必要があるということだけは覚えておいてください。
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225分間タイマーをかけ作業に集中する
タイマーをかけて完全に集中できる状態を作ります。そして25分間全力で作業に没頭します。その際、集中の妨げになるようなテレビやスマホはOFFにすることを忘れずに。
全集中&最速での作業遂行を目指しましょう。
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35分間タイマーをかけて休憩
タイマーが鳴ったら作業の途中でも終了です。行っている作業を辞めて、完全に脳を休ませます。
心理学でツァイガルニック効果と呼ばれていますが、区切りの良くないところであえて中断することで記憶の定着もUPすると言われています。
気分転換になるような軽い運動やストレッチすることがおすすめです。
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4また25分間タイマーをかけて作業に集中する
再度25分タイマーをかけて作業を行います。
このように休憩を挟みながら25分の作業を4回繰り返したら一区切りです。
まだ続けたい場合は、ここで一旦15分~20分ほどの長い休憩を入れましょう。
タイマーはスマホの機能やアプリなどを使う事ができますが、LINEやその他通知などが気になってしまいます。
事前に全ての通知を切るか、もし家にキッチンタイマーがあればそちらを使用し、なるべく外界との連絡手段を遮断するようにしてください。
おすすめのタイマーはこちら!
『ポモドーロ・テクニック』についてもっと深く知りたい方はこちらを参考にしてください。
まとめ
学ぶことに年齢は関係ありません。
歳をとってから学びたい欲に駆られることはありませんか?
年齢を理由に学ぶことを諦めることはありません。脳機能を起こしてあげれば、きちんとその働きを全うしてくれます。